第6話
「いらっしゃいませ、亜御那様」
「何色が好きだ?」
「黒」
「千花に似合う黒の服持ってこい」
「かしこまりました」
連れてこられた店は一般人なら入らないような高級店。
「亜御那様、こちら5点ほどお持ちしました」
は?ドレス?私服じゃないのか?
「これ着るの?」
「あぁ。着たいやつ試着してこい。オーダーメイドもできるぞ」
「これ私服?」
「そうだ。普段着も欲しけりゃ買う。俺といんだから慣れろよ」
「…わかった。着てくる」
平民の私はついていけない。
「…どう?」
着替えた姿を叶斗が待っている所まで行って見せた。
「千花ならなんでも似合うな」
「それちゃんと似合ってるか見てんのかよ」
「見てる。俺は千花ならなんでもいいんだって。1つはオーダーメイドで良いやつ頼むから採寸してもらえよ」
「なんで?」
「4月に呼ばれてる披露宴に出席すんだよ。その為のドレス」
「へぇー」
披露宴って何するんだろ。
表は社長だから色々あるか。
それから下着にコスメ、なぜか家具屋まで付き合わされた。
私の欲しいもの買ってやるって言ってたが、特に欲しいものがなく、叶斗は何故かガラステーブルに新しいソファーを買ってた。
家にある家具捨てんのか?
高そうなのに…。
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