第118話

「千花様、お戻りください」



寝室を出てすぐ朱羽に言われた。



だけど、私は構わず窓辺へ歩く。



「千花様」



「……おいで、朱羽」



座った私は朱羽を呼ぶ。



「朱羽」



躊躇いがちに私の元へ歩いてくる。



「ずっと……傍にいて」



私の言葉に膝をついて言う。



「勿論、お傍にいます」



「違うの…そうじゃなくて…」



「千花様、何を……」



戸惑う朱羽を無視して行動を続ける。



「片時も、私の傍を離れないで」



チュッ…と頬にキスを落とす。



「千花…様?」



「朱羽……大好き」



私の胸に抱き寄せる。



「ありがとうございます…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る