第188話
朱羽と魁がずっと傍にいてくれるから、結紀と龍は持ち場に返そうと思って、2人のいる扉の前まで来た。
魁が言ってくれたみたいだけど、それでも叶斗から命令だからって言う理由があるから時々見に来る。
純夜がいるなら、2人がいなくても問題はない。
ドアノブに手をかけ開けようとした時、2人の話している声が聞こえてきた。
「俺ら、何であんな奴の見張り頼まれたんだよ」
「叶斗さんに聞いたら?」
「どう考えても精神異常者だろ。よくあんな女好きになったな、叶斗さん」
「まぁ確かに。刺青に眼帯、おまけに左半身は痣だらけ。好きになる要素はないかもね」
「だよなー。俺懐かれなくて良かったわー。どこ好きになったなんて聞いたけど、魁がいてくれて助かったわ」
精神異常者…。
行き場をなくした手を下ろす。
私、そんな風に思われていたんだ。
けど、そう思うのが正解なのかもしれない。
叶斗もそんな風に思っているのかな?
あぁまた…だ。
プツン……と張っていた糸が切れた。
笑顔でいなきゃ、不愉快にさせないように気を使わなきゃ。
私はノックをして部屋に入った。
「ッ…千花、さん?」
私が入った瞬間結紀の息を飲む音が聞こえた気がした。
だけど、気付かないふり。
「ベッドにいなくて大丈夫ですか?」
龍が駆けつけて私に聞いてきた。
「ウン、ダイジョウブ。2人に話があるんだけどいい?」
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