第187話

「なに」



顔を上げた私を見て、優しく微笑んでくれた。



「叶斗が帰ってくる前に、食生活くらい直してみない?」



「…」



「ケーキが主食じゃ身体持たないんじゃないかな?」



視線を逸らす私に優しく言葉を続ける。



「強制はしないから千花が決めて。これは俺が思った事だから好きにしていいよ」



確かに食生活くらい直したい。



このままじゃだめなことくらい、わかる。



「食生活は…直したい…。けど直したからって叶斗の傍にいれるとは限らない」



「傍にいれると思うけど…」



「ううん、今の叶斗は仕事1番だよ」



私の言葉に純夜は黙った。



「直せるの?」



「もちろん、直せるよ」



「少しずつ?」



「少しずつ」



「…わかった」






* * *






何とか『心』を保ったのに。



その『心』でさえ、あんな言葉で塞がれるのか。

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