第212話

次の日、私の方が遅く寝たのに、叶斗より早く起きた。



疲れていたのか、横を見ると今もぐっすり眠っている。



「叶斗…隠してること言って欲しいな」



そっと頬を撫でるけど、直ぐにその手を離した。



多分、今私は必要とされてないかもしれない。



他の人に向いている気持ちに、私を捨てられないと言う。



そんな馬鹿な事を言うなんて思ってなかった。



どっちつかずの状態でいるなら、さっさと殺して欲しい。



だけど、感情に蓋がかかっている時点で、笑顔を振りまいてしまう。



「この部屋で大人しくしてるからね」



眠りから覚めた身体を、また沈めた。

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