第252話
「一緒、行きたいよ…」
「あぁ。他にはないか?」
言っても大丈夫だろうけど、悲しませないか不安だ。
1度開いた心を閉じるのは早いけど、叶斗だからなのか開くのも早かった。
「今年も叶斗の誕生日、私の体調もあって何もしてやれないかもしれないの…」
「そんな事かよ。なら今回行く旅行で十分だ」
「あと、あとね、今はまだ入れなくていいんだけど、左の火傷跡に全て刺青入れたいの」
そう言った瞬間、叶斗の顔が険しくなった。
「それは…顔も、含まれているのか?」
優しく私の左頬に触れながら聞いてきた。
「うん、そうだよ」
「そうか…」
「嫌、だ?それなら入れないけど…」
やっぱり顔に入れるのは抵抗あるかな?
見た目も今以上に醜くなるし、もう顔見たくないなんて言わない?
私の思いを他所に、そんな言葉を言ってくれるなんて思わなかった。
「…もっと綺麗になるな」
「……ぇ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます