第278話
『千花へ
この手紙を読んでるってことは、多分俺はもうお前の元にはいないって事だよな。
まず、こんな俺を愛してくれてありがとう。
あの雨の日、お前を見て、衝撃が走った。
雨の中、1人歩く千花は寂しそうで…。
それでいて、俺には見惚れるくらい綺麗に映ってた。
あんな強引に連れてきて悪かった。
俺が子供いらないって言ったのは、俺の親はどっちも犯罪者だったんだ。
小さい頃に牢ぶち込まれて、親がいた記憶は俺にはない。
だからこそ、この血を受け継いで欲しくなかった。
けど、無責任だったよな。
妊娠させて、降ろせって…千花は自分で殺すかもしれないって言ってたけど、本当は産みたかったんじゃないかって。
普通に仕事をして、千花に出会っていれば、俺は喜んで産んで欲しかった。
結局…蛙の子は蛙って事なんだよ。
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