第227話

「足の怪我に加え、体調も良くない、と」



ブツブツ純夜は言っているが、それに相槌を打つことはしなかった。



「こんなになるまでほっといたの?叶斗」



「………別に」



「どうせまた監禁みたいな事してたんでしょ。お互いがいいならいいけど、千花の体力にも限界があるんだから程々にしなよ」



「関係ねぇだろ」



「けどこのままほっといて、風邪こじらせて死ぬなんて事も有り得るんだから注意して」



「…あぁ」



暫く沈黙が続く。



未だに苦しそうな表情をする千花に、歯がギリッと鳴った。



苦しめて傷付けて…それでも結局はお互いがお互いを求めて……。



「お前が…俺に、出会ったことが悪かったんだよ」



1つ、額にキスを落とした。

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