第78話

次の日から毎日見舞いに行った。



反応がない千花の手を握りながら、ただ待つ。



傍に置いておくべきだったと後悔する。



「なぁ千花…このまま俺を残して死なねぇよな?」



未だ眠ってる千花に話し掛ける。



「俺が守んなきゃいけねぇのに、俺の知らねぇところでこんな目に遭って…痛かったろ?」



全身に包帯を巻き、痛々しい姿をしている。



俺が代わってやれたらな……。



「千花……愛してんだよ、目ェ覚ませ」



目覚めるはずもなく、俺の声だけがこの病室に虚しく響く。



「また明日な」



デコにキスを落とし部屋を出た。

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