第11話

「ふっ……んんっ、あっ」



言葉通り、私に負担をかけないよう合わせてくれた。



キスがだんだん深いものになる。



どちらともわからない銀の糸が引く。



「ゆっくり慣らしてくからな」



またキスをして、下に指を入れてきた。



私はというと、キスに夢中。



多分私叶斗とのキス、好きだ。



唇が離れるのが名残惜しい。



「挿入れるぞ。痛かったら爪立てていいからな」



「う、うん…」



指とは比べものにならなくて、お腹が圧迫される。



「…っ!?」



痛みがあり、思わず爪を立ててしまった。



「大丈夫か?」



「大、丈夫」



苦しいのに幸せだった。



1つになって優しく抱いてくれて、私は今まで言えなかったことを叶斗に言った。



「叶斗っ…叶斗」



「あ?」



「愛、してるっ」



「俺も、愛してる」




* * *




目を覚ますと隣に叶斗はいなかった。



朝なら起こしてくれてもいいのに。



適当にシャツを着て叶斗を探す。



あ、いた…。



見つけた姿はベランダでタバコを吸ってて、様になってた。



「悪ぃ、火消す」



私に気付いたようで、タバコを消した。



「…タバコ吸ってたんだね」



初めて見た。



「まぁな。千花の前では吸わねぇようにしてたんだけど」



「これからも吸っていいよ」



「身体に悪いだろ?」



「吸ってる本人が言うな。……それに刺青すみ…」



「あ、あぁこれか?怖くねぇの?」



「うん…私も同じやつ入れたい」



叶斗の背中には2匹の龍と1匹の蝶がいた。



「いいぜ、入れろ」



「うん!」






3日間はあっという間だった。



朱羽もいなく、2人きり。



一線を越えたからか、私は叶斗に少し甘えられるようになってた。



「叶斗、夏また来ようね」



「あぁ」




* * *




少し遅い私の誕生日。



ありがとう、叶斗。



私を愛してくれて…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る