第104話

* * *






「年明け早々仕事あるから、誕生日何したいか考えとけよ」



「うん!何でもいいの?」



「あぁ」



「ありがとう!あっ、でも私叶斗の誕生日祝ってない…」



私だけ祝われるのは申し訳ない。



「俺のことは気にするな。千花がいてくれるだけで十分だからな」



頭を撫でられ、「すぐ戻る」と言われて社長室にまた1人。



冬だから寒いけど、京都の街並み2人で楽しみたいな。



雪化粧の京都なんてとっても綺麗なんだろうな。



1人で色々考えてる時間もそう長く持たなかった。



『千花、1人でどこ行く』



壮……?



『お前は俺の玩具だろ?』



『戻ってこいよ』



戻る?



私の足は動き出していた。



壮に怒られ前に帰らないと…。



正面玄関から出るとブザーが鳴るから、客用から出る。



「…はぁ、はぁ……っ」



壮に、怒られたくない。



あの、悪魔のような顔は見たくない……。

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