第198話
「教えてくれ……何を言われた」
私は重い口を開い、結紀と龍に言われたことを話した。
「私は、精神異常者だって……刺青に眼帯、火傷跡もあって………。叶斗はよくこんな女好きになったなって」
俯いて話す私に相槌はない。
自分が1番分かってる。
だけど、なりたくてなった訳じゃないし、眼帯も、火傷跡だって、自分ではもうどうにも出来ないんだよ…。
「顔上げろ、千花」
そう言われゆっくりと顔を上げて叶斗を見る。
だけど、一瞬だけしか目を合わせられず、すぐに視線を外す。
「お前を好きになるのは俺だけでいい。俺だけがお前の良さを知っていれば十分だろ」
抱きしめてくれる叶斗に目頭が熱くなる。
「これからも俺の傍にいてくれるか?」
「…うんっ」
触れた唇に、私は傍に居ていいのだと安心した。
* * *
一段落ついて、また幸せに過ごしていけるのだと思っていた。
だけど、傍にいるからこそ、少しのことで不安になる。
全員、いなくなればよかったんだ……。
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