第265話
「…ん」
「はよ、千花」
「……はよー」
目を覚ませば叶斗の腕の中。
「怖くなかったか?」
「ん、大丈夫…」
「…良かった」
撫でてくれる手が気持ちいい。
暫く撫でられていると、その手が止まった。
「……なぁ千花」
「んー?」
「どんな事があっても、俺の傍にいてくれるか?」
「うん…こんな私を拾ってくれたんだもん、傍にいるよ」
「本当か?」
心配した顔をして、確認してきた。
「なーに?何のために身体に刺青入れて、指落としたと思ってるの?私の全ては叶斗だよ」
そう言えば、安心したみたいで、少しだけ顔が緩んだ。
「そう、か……ありがとう」
叶斗の腕の中に抱きしめられる。
その中で、私は叶斗を見上げて言った。
「叶斗…愛してる」
「俺も愛してる……」
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