第205話
「私の我儘に付き合ってくれてありがとうね」
「いつもの事だし、言ってくれればできる範囲では連れて行く」
「そ?いつも叶斗の言いつけ守ってるから何処にも行けないんだけど?」
車に乗り、お礼をする。
「また、連れて来てね」
「……俺に言うな」
車を走らせ、家に向かう。
多分、帰ったら叶斗に怒られるだろう。
朱羽と2人きりで出掛けてたんだから。
だけど、今の叶斗が私たちに怒るのか…。
そう思うほど、私に、朱羽に対して意識が向いていない。
「着いたら起こして」
「あぁ」
静かな車の中で、私は眠りについた。
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