第181話

* * *






次の日も、その次の日も、変わらず同じような日々。



特にやりたいこともないし、過眠症だから起きている時間が短くて1日ほとんど寝てる。



私が寝てる間も見張りしないといけないみたいで、私は大丈夫って言ったんだけど、叶斗に怒られるからってずっといる。



1人いれば十分だから、好きなようにやらせている。



起きている時はちゃんといるし、特に不満がないから朱羽の時と変わらない。



魁たちが来て数日は何も問題がなかったんだけど、それは突然だから困る。



最初は少しだったのがどんどん酷くなる。



カリ、カリ、とチョーカーに爪を当てる。



クルシイ、トリタイ…ハズシテヨ。



呼吸も荒くなってくる。



その異変に魁が駆けつけてきてくれる。



「千花さん、大丈夫ですか?」



「か、い?これ…チョーカー、切って」



「……は?」



「はやく、切ってよッ!苦しいの!」



今は早くチョーカーを切って欲しい、それだけ。



「それ…切ったら俺が怒られるんスけど」



「私のせいにしていいから!!早く!お願い!」



こうなれば私は制御できない。



叶斗じゃない限り、悪くなる一方だ。



「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…ッ、ハヤク」



叶斗がくれたチョーカーなのに、大切なのに…今は邪魔。



こんなこと今までなかったのに…。



もう、限界を超えていたのかもしれない。



本当は叶斗の傍にいたい、ワガママ言って傍にいさせて欲しい。



「これで、いいですか?」



「……ウン」



魁が手に握ってるペンチをチョーカーに当てる。



パキン…という音で解放された。



「魁、アリガトウ」



私の狂気的な笑みを見てどう思うかなんて知りもしなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る