影
第152話
ゴールデンウィークも終わり、叶斗は仕事に戻る。
私も傍にいていいみたいで、前と同じ仕事場に連れて行ってくれる。
「千花、来週泊まりでやらなきゃいけない仕事あるんだけど、家に1人でも大丈夫か?」
「朱羽は?」
「悪い、朱羽も必要なんだ。飯は使いの奴らに言っておく」
「そっか…」
叶斗がいないのは寂しい。
だけど、仕事だし仕方ない。
「後、護衛も俺が信頼してる奴らに任せる。もしなんかあれば連絡してくれ」
「仕事、なんだよね?」
「あぁ、本当に悪い。その分帰ってきたら沢山愛してやる」
「ん、わかった。気をつけて行ってきてね」
「……あぁ」
私の言葉にワンテンポ遅れて返ってきた。
それに違和感を感じたが、突っ込むことはしなかった。
優しく頭を撫でてくれる気持ち良さ。
「愛してる」
そう言って唇にキスをした。
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