第246話
私と視線を合わせるために、しゃがんでくれる。
「どうしたら……信じてくれんだよ…」
頬に触れてきた手は、とても震えていた。
「信用を、なくしたってのに…すぐ信じろ、と?」
とても私が言える言葉ではない。
「私は、叶斗以外に近い人は朱羽だったし、私の行動で叶斗が不安になるのもわかってる。だからこそ、この言葉は私にも向けて言ってる。信じられるわけないでしょ、?」
合わせていた視線を外される。
「私の方が、聞きたいよ……今も外で何してるのか、誰と会ってるのか……あの部屋で私がどんな思いでいるか知ってるの?」
こんなの、全て叶斗が悪いって言ってるようなもの。
「私が起きてる時に叶斗はいないんだから、朱羽に頼るしかないじゃん……だけど、朱羽もわかってるからあまり私と話さなくなったし、私は毎日1人であの部屋で過ごしてる」
「…」
「私がただ願っている『傍にいたい』って事は、もう叶わないの…?」
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