第100話
叶斗side
俺が千花を堕とした。
わかってるんだ、自分のせいで千花が苦しんでいることくらい。
本当は、ただ俺だけを考えて、俺だけを想ってくれればそれでよかった。
それが今は俺が千花を苦しめている。
「なぁ千花、俺と一緒に死ねるか?」
そう言った瞬間に震えていた身体が嘘のようにピタリと止まった。
顔を上げた千花は笑っていた。
「一緒に……死んでくれるの、?」
「あぁ、千花となら死ねる」
確かに千花は笑ってる。
だけど、心の底ではもう笑えないような…そんな感じがした。
「アハハッ!叶斗ダーイスキ、ズットイッショダヨ?」
「俺は愛してる」
ニコッと笑って「私も愛してるよ」…と。
その笑顔は狂気の沙汰だった。
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