行方

危機

第214話

窓の外から見える葉が色付いてきて、もうすぐ冬が来ると教えてくれている。



それを知ると同時に、叶斗の誕生日も近づいてくる。



普通なら祝いたいと思うところが、そんな気分にはならなかった。



生活リズムを戻した途端、また崩すような生活をさせられて嫌になる。



ブーブーと途切れることのない電話。



昼の時間には必ず毎日こんな感じで電話が鳴る。



私が出ることは無い。



基本的に電話は嫌いな事もあるが、別にこの部屋から出て行くことはない。



朱羽でさえ、この部屋に入って来れない。



ご飯は部屋の外。



朱羽からの声で私が部屋に運ぶ。



だけど体調が悪いため、動くことが辛い。



せっかく治ったのに…。



スマホの着信音が消えた…という事はお昼休憩は終わり。



平日が毎日こんなんじゃ、耐えられるものも耐えられなくなっちゃうよ…………。

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