第90話

家に帰ると、部屋は荒れていた。



「これ、叶斗がやったの?」



「あー、悪ぃ……」



罰が悪そうな顔をされた。



家具は全て壊され、新しく買ったガラステーブルまで壊されていた。



「別にいいけど、ベッドで寝れねぇじゃん」



「別室あるからそっち。新しいの買いに行こうぜ」



朱羽から荒れたとは聞いたが、ここまでか…。



叶斗らしいと言えばらしいが……。



「早く別室行こうぜ」



私の手を引き、歩き出す。



入った部屋はいつもの部屋より少し狭かった。



だが、家具は全て揃ってる。



ベッドに2人横たわる。



長時間歩いたせいで、私はすぐ眠りについてしまった。






「こんな俺で本当にごめんな」






その言葉は私には届かない。



だけど寝てる時に言ってくれた方が私は嬉しい。



だって、どんな顔して聞いたらいいか今は分からないし…肯定も否定も出来ないから。

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