第275話

* * *






私の放心状態が少し緩くなった頃は、もう年が明けていた。



その間、純夜は私に付きっきりで、朱羽の姿はほとんど見なかった。



「純夜……傍にいてくれて…………ありがとう」



私の言葉に、フッ、と優しく笑ってくれる。



「心配だから、な」



優しいのに、瞳はまるで見張っていないと【私が死ぬかもしれない】と、言われてるみたいで…。



「久しぶりにご飯、口にする?」



「……うん。肉、食べたい」



何日ぶりだろう。



固形物を久しぶりに口にした。

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