第274話

純夜が謝っても、純夜が悪いわけじゃない。



外に出た私が悪いんだ。



雨降ってきたからって、外に出るんじゃなかった。



なんで出たんだろう。



なんで叶斗の傍を離れたんだろう。



せめて叶斗を起こして一緒だったら、また違った今になっていたかもしれない。



「…………たぃ」



「ん?何?千花」



「か、なと…に、会い……たい」



私の言葉に苦しい表情をする。



かける言葉がないのか、壊れ物に触るように、優しく抱きしめてくれた。



「…かなと、」



頭を撫でてくれる手が叶斗と重なる。



それに自然と涙が頬を伝う。



「何があっても…俺たちが守るから」



私は純夜を抱きしめ返して、また声を上げて泣いてしまった。

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