第273話

それ以降の記憶が曖昧で、覚えていない。



気がついたらベッドにいて、傍に純夜がいた。



「千花、寝る?」



純夜が話しかけてくれてるけど、放心状態の私には返せない。



腕にはまた点滴が刺さってた。



口から食べた記憶もない。



いや、少しは食べたのかもしれないけど、覚えていないんだ。



「純夜さん、千花さんの容態はどうっスか?」



「変わりないよ。うんともすんとも、何も返事はない」



声がした方へ顔を向ける。



その行動に純夜が少し驚いていた。



目に映した人を確認してから、また顔を戻す。



魁、か…。



「さっき全て終わりました」



「……そっか、ありがとう」



「それを伝えに来たので、失礼します」



ドアが閉まり、魁は帰っていった。



「…………ごめんね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る