第108話

* * *






「い゛っ!?」



壮の蹴りによって起こされる。



「寝ていいなんて言ってねぇよ」



「げほっげほっ…」



蹴飛ばされる身にもなって欲しい。



女はどう足掻いても男に勝てないんだから…。



顔を上げた私は目を疑った。



「また俺のもんだって印、付けてやるよ」



「いやっ、やめて…」



フルフルと、首を横に振る。



手に持っていたのはライター。



…なんかではなく、店で使うようなバーナーだった。



前より酷い……。



そんなもの当てられたら熱いし、皮膚が戻せなくなる。



「ゃだよ……ねぇ、やめて」



目に涙が浮かぶ。



「なら前と同じライターでいいか?」



うんうんと、頷く。



バーナーで焼かれるよりはまだマシだ。



「ニゲンナヨ」



「ひっ…」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る