第107話

「千花起きろ」



何の反応も見せない私に「チッ…」と舌打ちする。



「……ん、」



私が目を覚ましたのは、頭にジンジンとした痛みがあったからだ。



「よぉ、やっと起きたか」



横たわっている私の頭に置かれた足。



頭……痛い。



「飯食え」



目の前に出されたのは食パン1枚。



「お前それで十分だろ?」



私の身体を気遣うことも無く、部屋を出て行った。



拘束されている訳ではないから自由に動けるけど、蹴られた場所が痛む。



今何時…?



私はどのくらい寝てたの?



身体を起こし、落ちているパンを齧る。



寒い…。下着姿のまま放置され、身体に目を向けると蹴られた痣が至る所にある。



「はぁ…」



今回は蹴るのか…。



腹に1発強い蹴りを入れられたのは結構体にきてる。



まだ事故の怪我が完治した訳じゃない。



多分焼印もまた付けられる。



パンも食べ終わり、やる事がないから冷たい床に横になりまた眠りについた。

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