第106話
「…っぁあ!?」
服を無理やり脱がされ下着姿にされた瞬間、腹に蹴りを入れられた。
吹っ飛ばされる。
「誰の許可得て身体に刺青入れてんだ」
痛い…、痛みがある。
なんで……私痛み感じなかったはずなのに。
1度痛みを感じてしまえば、切っていた手首にも痛覚が戻る。
「なぁ、なんでそんなダセェ刺青が入ってんだ?太ももにまで文字入れやがって」
ドガッ、ドガッと何度も身体を蹴る。
あぁ、もうこれはダメだ。
気絶させられるまで、壮の気が済むまでやられる。
「…いっ!…ッ、あっ……うぅ…」
「答えろよ。俺が付けた焼印消えてんじゃねぇか。誰の許可得たんだよ、ビッチが」
答えることができないくらい、蹴ってくるから何も言えない。
痛い痛い、いたいいたいいたい…イタイイタイイタイ………。
「………から、」
「んだよ」
「も、逃げない…から」
振り絞って言えた言葉だった。
私の言葉に足は止まった。
「逃げない…ネェ」
口から内臓が出そうだ…。
これ以上蹴らないで欲しい。
そう思った時、今まで味わったことの無いような痛みを腹に受けた。
「がはっ!!??」
ゴポゴポ…と、胃液が戻る。
「汚ぇなぁ、口から出すなよ…」
「ぁ、ぁぁ……っ」
「今日はもう勘弁しといてやるよ。この部屋から出るなよ、センカ」
この暴力から一時的に開放された私は、またあの日々に戻るのかと絶望して、ゆっくり目を閉じた。
いや、あの日々より…もっと酷い……。
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