第261話

叶斗の準備が終わり、2人で湯船に浸かる。



「雪、綺麗」



「…そうだな」



後ろから抱きしめられる形で座っているため、お互いの表情は分からない。



お湯の温度と、叶斗の体温が気持ちいい。



私は暫く雪を眺めていると、叶斗は左肩に顔を埋めてきた。



「叶斗?」



「……抱きてぇ」



叶斗の言葉を、理解するのに時間がかかった。



それと同時に、身体が震え出す。



「嫌、だっ…怖い」



「優しくする…」



「怖いの……っ」



「千花」



私の名前を呼び、強引に顔を持ってキスしてきた。



「ンっ……っぁ…んぅ」



「少し落ち着いたか?」



トラウマの怖さとキスの気持ち良さの狭間で、頭で考えてる事と身体の反応が違くて混乱する。



「上せる前に上がるぞ」



されるがまま、寝室へ運ばれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る