第164話

カーテンを閉めて、部屋の電気を消す。



カーテンの隙間から差し込んでくる明かりが眩しい。



それを塞ぐように、ベッドに座り頭を抱えて縮こまる。



もう私に関係する事柄は終わったんだよ。



それなのに、叶斗は何してるの?



怪我して帰ってきて、それなら行かせなければよかったなんて考える。



社長の仕事がそんなに危ないものなの?そんな疑問が浮かぶ。



だって、裏の仕事じゃないんだから怪我する理由が見つからない。



やっぱりまた私が関わっているの?



それとも私が重荷になってるの?



叶斗の口から聞かされる事の、どれが真実がわからない。



段々と呼吸が出来なくなる。



ヒューヒューッ、と苦しくなっていくのがわかる。



だけど、私1人でそれが治まることはない。



苦しい、助けて…。



「…ぁっ、ぅ……」



息ができない。



少しずつ意識が遠のいていくのがわかった。



それに抗えるはずもなく、意識を失った。

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