第140話

膝の間に座らされ、飯を口まで運ばれる。



「食えるか?」



「あ」



と、口を開ける。



昼はチャーハンだった。



久しぶりの温かいご飯。



それに叶斗と一緒に食べるのも久しぶりだった。



「…美味しい」



「良かった。もっと食うか?」



コクっと頷く。



「無理だけはすんなよ」



長い間、まともに身体に流し込んでいない飯。



まだ1人分は食べれない。



「…もういい」



いらないと言えば、頭を撫でて「頑張ったな」と言われた。



「俺が食うまで待っててくれるか?」



肯定の意味で、ギュゥ、と服を掴む。



「ありがとう」



叶斗が食べている間、私は叶斗の中で丸まって、俯いていた。

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