第287話

「私、の…方こそ、ごめんなさい」



「千花は何も悪くない。俺が悪かった」



落ち着いた私は朱羽に謝る。



私の言葉で怒ったんじゃないか、私の態度で怒ったんじゃないか…。



いや…初めから私は嫌われていたはず……。



叶斗の女だから傍にいてくれたんだ…。



そうに違いない。



あの言葉は、私を正気に戻らせるための言葉だったんだ。



だから、本心じゃ嫌ってる……。



だって、朱羽には嫌われる行動しかしてない。






「千花……俺のワガママ、聞いてくれるか?」





「え…」

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