第286話
分かって貰えたから朱羽が運んできてくれた食事に手をつけようとしたら、朱羽はなぜか私の方へ向かってきた。
「…なに、」
「…」
私の前に立って、無言で見下ろされる。
その圧に、口から自然と出てしまった。
「っ…ごめ、な、さい……」
私の言葉に朱羽は苦しい表情をした。
「ごめん、そんなつもりはなかった…」
「……ッ、ぁ…っ」
「千花っ、」
ぐるぐると視線があちこちに動き、上手く息が出来なくなる。
「ゆっくり息吸って吐け」
すぐさま抱きしめられ、背中をさすられる。
「怖がらせて、ごめん」
「…ぁ、……ぅっ、」
誰かに呑まれた訳じゃなかったから、私の手は朱羽の服を掴んだ。
「大丈夫」
優しい声で落ち着かせてくれたおかげで長引くことはなかった。
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