第45話
* * *
出歩くんじゃなかった。
あんな事になるなんて…。
* * *
「…ん、叶斗?」
私、寝てた?
「悪ぃ、ヤりすぎた。腰大丈夫か?」
頭を撫でられ、気持ちいい。
「大丈夫…何時?」
「23時過ぎだ」
「コンビニ……」
「行くのか?」
「…うん、行く」
「着替え持ってくっから待ってろ」
* * *
「ね、叶斗、私もタバコ吸いたい」
興味本位で聞いてみた。
吸わせてくれないだろうな。
私の前で吸ってる姿はほとんど見ない。
「吸うんじゃねぇよ。いい事なんてねぇだろ」
思った答えが返ってきた。
「えー、叶斗吸ってるのにー」
「身体大事にしろって」
それ自分で言うかなー。
「じゃあさ、銘柄って言うの?吸ってるやつ教えて!」
「あー、普段吸ってるやつはコンビニで買えねぇんだよ」
「何それ!?そんなのあんの?」
コンビニに無いタバコなんてあるんだ…。
「まぁな。気分によって吸うやつ変わるけど」
「あそこにあるのだと、どれに近い?」
指さして聞いてみる。
「あのパーラメントって書いてあるやつのクリスタルってやつで、メンソールがすげぇ強烈」
「へぇー」
何言ってんだ、こいつ…とタバコに関して何も知識がないから間抜けな返事しかしなかった。
「聞いといてその返事はねぇだろ」
「あはは、ごめんごめん。そんな事言われてもわかんないなーって」
スナック菓子、チョコ、ジュース、あとはスイーツまで買って貰った。
「あとタバコ、171番」
何のタバコなんだろ。
「ほらよ」
渡されたタバコにはパーラメントと書かれてあった。
これ言ってたやつじゃん。
「コンビニで買えないんじゃなかったの?」
「今の気分はそれなんだよ」
「ふーん」
気分で変わるのがよく分からない。
箱をまじまじと見る。
読んでも分からん。
「吸いたいか?」
「ううん、なんか不味そう」
「美味いもんではねぇな」
会計も終わったらしく、手を引っ張られ、コンビニを出る。
* * *
背後に迫ってることに気が付かない。
もうすぐ…私の中の精神が保てなくなる。
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