第220話

次の日、薬を飲んだのにも関わらず、体調が悪化していた。



「はぁ、はぁ、っ…」



熱い、水が欲しい。



重い体を起こして、扉まで這いずって向かう。



「朱羽、朱羽…」



地べたに座り込み、扉の前で朱羽を呼ぶ。



なんで…なんで返事してくれないの?居ないの?



平均身長より少し低い私は、座ったままできるだけ腕を伸ばし、ドアノブを掴んで開ける。



少し扉を開いて廊下を確認する。



キョロキョロと見ても朱羽はいない。



「どう、して………朱羽…」



顔は俯き、身体は言う事を聞かず、どうしようも出来ない。



呼吸を整えようにも、どんどん体調が悪化してるのがわかる。



暫くこのままでいると、少し遠くでパタン、と扉が閉まる音が聞こえた。

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