第221話

走ってくる音と共に、「千花様!」と呼ばれる声が聞こえる。



朱羽…だ。



「千花様、どうされまし…!?」



言い切らなかった朱羽を横目で見る。



なんて顔、してんの。



「すぐベッドに運びます。二度とこの部屋の扉を開けないでください」



私を運ぼうとした朱羽の腰辺りに抱きつく。



二度とってどういう事?



けど、そんなことよりも今は感情のまま動いた。



「………て」



「なん、ですか?」



「私たちを、助けてっ」

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