第162話

叶斗と入れ違いに朱羽が入ってくる。



「朱羽…私やっぱり必要ないのかな?」



どうやって平静を保とう。



自分の意思とは関係なしに溢れてくる。



「仕事場にいたら、邪魔になるって事だよね?」



止めようにも止められない。



朱羽は私の元へ来て、涙を拭う。



「…これで、本当に終わります。もう暫くです」



ギュウーッと朱羽の服を掴む。



「終わる終わらないなんてどうでもいいんだよっ…お願いだから、叶斗の傍にいたいよ…っ」



どうしたら一緒にいれるの?



ただ傍にいたい、それだけじゃダメなの?



泣き続ける私を朱羽は何も言わずに抱きしめてくれていた。

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