第237話

私が目を覚ましたら、いつも隣にいないはずの叶斗がいた。



どうして今日はいるのだろう。



仕事はいいの?



そんな疑問を持ったが、寝ているため、また背を向けた。



私がモゾモゾと動いたためか、叶斗の腕が腰に回された。



その腕を掴み、どかそうとするにも腕に力が込められ動かせなかった。



「……嫌、か?」



「うん…早く仕事行ってきて」



「今日は休みだ…」



「そう……。だから?構えって?」



「いや…そういう訳じゃ……」



休みだから何。



今日自分がいるから、普通に接してくれってか?



馬鹿言ってんじゃねぇよ。



「なら腕退けて」



「千花っ、どこ行くんだよ!」



「お風呂。大丈夫、この部屋からは出ないよ」



そう言って、叶斗の腕を抜けて脱衣所へ向かった。

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