第236話

脱衣所まで行き、一旦洗面所で鏡を見る。



血が流れた首は手当されず、自然治癒を待つ。



その傷跡を指で撫でる。



叶斗に付けられる傷は構わないが、自然と治すには時間がかかる。



治りが遅くて、イライラする。



眼帯も取り、目の傷も見る。



片目の生活には慣れたが、傷は消えない。



もういっそ左側傷跡全てに刺青を入れようか…。



そしたらあまり目立たなくなる。



勝手に入れても、怒んないだろうし…純夜に頼もう。



あ…連絡手段、ないや。



はぁ…とため息が出る。



私は服を脱いで、風呂場へ向かう。



チャプン…と湯船に浸かった。



私たち、終わりかな?



初めから、住んでる世界が違ったんだよ。



私を拾ってくれて、命は叶斗にあげたけど……私は、叶斗の世界で住んでいけるような心の持ち主じゃない。



「………やっぱり、銃殺かなー」



それとも、叶斗が雪野怜を殺してくれたら前みたいな生活に、前みたいな幸せに戻れるかな。



上せる前にお風呂から出て、またベッドに入った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る