【ヒトリ】
第284話
* * *
「千花様、こちらにご飯置いておきますね」
平日はご飯が2食分置かれて朱羽はいないが、週末は世話をしてくれる。
この生活にも限界がある。
社長を引き継いだ朱羽は、今忙しいはず。
「千花様、私がいない間、ちゃんとご飯は召し上がっていますか?」
「…ん」
「体調は大丈夫ですか?」
「………ん」
「千花様……」
「…なに」
「いえ、」
視線を朱羽へ向けると、なぜか朱羽は私から視線を外した。
そっちが話しかけてきて、何度も呼んだのになんで逸らすのか。
あ、そういえば朱羽にやめて欲しいこと言ってなかったや。
「朱羽、話あるんだけど…」
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