第155話

千花side




叶斗が仕事に向かってお昼時。



「千花さん、飯ここに置いておきます」



「…ありがとう」



言った通り、強面の男3人が私の傍にいる。



その内の1人が私の元へ食事を運んでくれた。



出された飯を食いながら聞く。



「名前聞いてもいい?」



「叶斗さんからは何も聞いてない感じっスか?」



「うん」



「そっスか。でも俺らもあんまり千花さんに話すなと言われます」



「なにそれ」



アハハと笑う。



あまり話さなと言っていたが、答えてくれた。



かいって名前っスよ」



それに少し驚いた。



本当に言ってくれるとは思っていなかった。



「魁…かっこいい名前だね」



「ありがとうございます」



深々と頭を下げて言われた。



「私の事、怖いと思う?」



「見た目の事っスか?」



「んー、全て?」



「怖くないっスよ」



「………そっか」



怖くないのは叶斗の女だから、なのかな?



怖いって言って、私が叶斗に言えば殺されると思っていたりするのかな?



「もうご飯いらないから下げていいよ。あと飲み物サイドテーブルに置いといて」



「はい」

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