第184話

* * *






叶斗と朱羽が家を空けてから約2週間。



たった2週間だけど、魁に心を開いていた。



結紀と龍はただ見張っててくれる。



私がほとんど魁にしか話しかけないからかもしれない。



朱羽の代わりは魁が適任だ。



だけど心を開けたのに対して、私は一昨日くらいから吐き気が止まらない。



「ぅうう、ぁッ…」



ご飯という名のケーキを食べても吐く。



食べては吐いての繰り返し。



食べてなくても吐いてるんだけど…。



「大丈夫っスか?」



「…っ、あァァ、」



魁に背中を摩ってもらっているが、止まらない嘔吐。



吐いても吐いても、すっきりしないし、頭が朦朧とする。



多分倒れるな…と頭の隅で思った。



「叶斗さんに連絡入れますね」



叶斗の名前を出されて咄嗟に魁の腕を掴んだ。



「やっ…言わ、ないで…」



フルフルと首を振る。



知られたくない。



チョーカーを壊して、叶斗が行く前よりも酷い状態を知られたくないの。



「わ、たしの…お願いっ……聞いて」



そう言って私は意識を手放して、魁にもたれかかった。

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