第124話

鏡に映った顔は言葉で表せないほどのものだった。



「…な、に……これ」



皮膚が、ない。



左目も…見えない。



自然治癒で元通りにするには不可能。



「ぁッ……っ、何でッ」



私の顔……。



こんな醜い顔じゃ、醜い姿じゃ…叶斗に嫌われても当然だ。



どうりで私の隣にいないわけだ。



「ああぁぁああああああぁあぁぁあ!!!!」



その場に崩れ落ちる。



私の叫びを聞いてか、すぐに朱羽が駆けつける。



「千花様!?どうされました?」



「朱羽、治してよ!顔元通りにして!!嫌だよ、叶斗に嫌われるのは嫌だよ、捨てられるのも嫌だよ!!」



服を掴んで無理難題を言う。



「大丈夫です、叶斗様は千花様を嫌いになりません、捨てることもありません」



「でもっ、でも…こんな顔じゃ、こんな姿じゃもう愛してくれないよ…」



「もう少しの辛抱です」



泣き出した私の背中をさすってくれる。



「なんで叶斗は私を、置いていくの…?」



「…」



「傍にいることが…迷惑だって、こと?」



少しずつ落ち着きを取り戻す。



「本当に、もう少しです…」



「…何が」



「私からは何もお教えすることは出来ません」



「…………包帯、巻き直して」



「かしこまりました」



巻き直してる間、私も朱羽も口を開こうとはしなかった。

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