第123話

千花side




私が起きている時に叶斗が傍にいることはなくなっていた。



お昼にも帰ってこない。



私に危害が加わる、頃合じゃない…そんなこと言っといて何故まだ私を捨てないのか。



いや、答えは出ているのかも。



帰ってこないということは、そういう事なのかもしれない。



壮の一件から半月経つが私の傷は一向に良くならない。



治る気配が全くない。



包帯があろうが無かろうが『キズモノ』には変わりない。



「…」



腕に巻かれた包帯を取る。



本当に私の身体なのかと疑う程変色している。



顔も見るため、左足を引きずりながら洗面台へ向かう。



「千花様、包帯をご自身でお取りにならないで下さい」



寝室を出ると朱羽が言ってきたが無視する。



洗面台に立ち、顔の包帯に手をかけようとしが止まる。



元に戻らないくらいの傷だったら?左目も見えなかったら?



そんな事が頭をよぎる。



だけど自分の身体だ、見ない訳にもいかない。



恐る恐る顔の包帯を取っていく…。



「……ハッ」

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