第216話

パタンと閉まる音がして、叶斗のシャワーが終わったことが分かる。



またご機嫌取りが始まるのか、と思う。



「千花、今日は何食べたい?行きたい場所とかないか?」



このやり取りも何回目なんだろう…。



毎日毎日帰ってきたら言ってくる。



「外じゃなくて家にいようよ、私は叶斗と居れればそれで十分だから」



私は決まって同じ答え。



もう疲れた。



「そう、か…」



今日は私の顔がいつもと違ったみたい。



叶斗の反応がいつもと違う。



「少し体調悪いから寝るね?」



「…あぁ、」



一緒に寝ようなんて言葉はいらない。



だって、私じゃない人と寝れるんだから。



布団をかぶってすぐ眠りについた。



私がすぐ眠りについたのだと勘違いしたのか、すぐ扉が開閉した。



出てったんだ…と思った。

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