第158話

「嘘言わないで!!」



確実とかそんなのどうでもいい。



誰が叶斗を刺したのか…女が男か…何でもいいから情報が欲しかった。



「どんな奴でもいいから、教えてよ……」



「教えられません」



「何でよ…。何で叶斗が危ない時に私は何も出来ないの!?守られてばっかで嫌になるよっ……」



「千花様は、叶斗様と私に守られていればそれで十分です」



「何それ!恋人がこんな状態なのに無力である私の気持ち、理解出来るでしょ!?」



叶斗の傷の手当をしてる朱羽に聞いても、返事は返ってこなかった。



「朱羽!!何でそんな冷静なんだよ!!??」



バシン!!と思いっきり朱羽を叩く。



「…今回のことは千花様に関係ありません」



私の目を見ず、ぼそっと口にした。



その姿に私の声色が変わる。



「あっそ」



その声を聞いてか、躊躇いながら私の名を呼んだ。



「千花様…」



「出てって」



「……はい」



私は朱羽を部屋の外へ出し、ベッドに入った。

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