第5話
「口開けろ」
「は?自分で食えるし」
「俺が食わせてぇんだ。お腹空いたろ?食わねぇなら俺が食うぞ」
「飯は食わせろ。死ぬ」
「死なせるわけ。俺のモンなんだからさ。一生俺の傍にいろよ?」
「はっ。言葉なんていくらでも言えんだろ。そういう奴ほど言葉に責任持たねぇよな」
そんな言葉信じるかよ。
「あ?なら示してやってもいいぜ」
「大丈夫です」
顔怖いんだっつの。私のこと殺す気かよ。
食事も終わり、これから何するのだろうと思っていたら、買い物に行くと言われた。
「千花の着る服買うため」
「いらなくね?」
「下着もいらねぇのかよ」
「それは必要だわ」
「だろ?付いてこいよ」
適当に叶斗の服を渡された。
デカすぎてずり落ちてるけど、何故か叶斗は満足気な顔をしてた。
流石に下は昨日のものを着た。
外に出ると昨日と違う車だった。
叶斗の運転じゃないなら乗りたくない。
「乗んねぇの?」
「…………の?」
「ん?」
「叶斗が、運転じゃねぇの?」
「基本は運転しねぇよ。昨日はたまたま運転してただけ」
酔う自信しかない。
「…やっぱいい…私行かない」
そう言った瞬間強く手首を掴まれた。
「は?離れんの?俺から逃げんのかよ」
「違くて…その…」
「言え」
圧が凄すぎて、言うしかなかった。
「車酔い激しい、から…他人が運転する車乗れない」
昨日の運転からすると叶斗は酔わなかったから、叶斗の運転がいい。
だけどこれは我儘だ。
聞き入れて貰えない。
そう思っていたら…
「そういう事かよ。寝てたら大丈夫か?寝てもダメなら俺が運転するけど」
「……寝るなら、大丈夫」
「そうか、具合悪くなったら俺に言え」
「…わかった」
優しい…のか?
店に着くまで私は叶斗の腕の中で眠った。
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