血
第7話
* * *
「千花っていくつ?」
次の日の昼食時に質問された。
「高2の16。叶斗は?」
「俺は24。千花さ、今日高校行ってねぇし家にも帰ってねぇけど大丈夫か?それとも俺が全て終わらせるか?」
「……終わらせるってどういう意味?」
「親は殺すんだよ。まぁ高校は退学。千花には俺がいるし、衣食住は保証する」
殺す、か…。
逃げてきたんだし、もう関わりたくない。
「なぁ、千花。どうしたい?俺が
少し考えた後に答えを出した。
「…いいよ…あと、高校も辞めたい」
「あぁ、わかった。千花こっち向け」
「ん?」
振り向いたら優しく触れるだけのキスをされた。
「愛してる」
「私はっ…」
言葉に詰まった。
昨日今日会ったばかりの男に愛してるなんて言えない。
「昨日今日会った男に愛してるなんて言えるか?俺が女なら無理だ」
「なら……なんで…」
「したいと思ったから」
「そ、う…」
今の私は叶斗に何も情はない。
死にたいと思っていた私を拾ってくれて、衣食住は保証してくれる…。
ただ生活するに困らない所だ。
叶斗からの愛はすごく伝わってくる。
それは感じてるんだけど、私は人の愛し方なんて知らない。
だけど、叶斗からのキスは嫌じゃなかった。
* * *
この日、私は今までの生活を全て捨てて、新しい生活を手に入れた。
そして、私が叶斗を愛せる日が来るのはそう遠くなかった。
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