第136話

姫抱っこされ、人がいるであろう場所まで連れていってくれた。



「生きてるか?」



叶斗が声をかけたのは壮だった。



何となく予想はしていた。



私の手で殺すなんて、壮以外他に関わりがある人がいないから。



「…死ねよ」



生きてはいるみたいだ。



私は降ろされ、壮との距離は5m。



「相変わらず口の減らねぇ野郎だな」



「てめぇに言われたかねぇよ」



叶斗が私の傍を離れ、壮の元へ向かおうとしたから、私は叶斗の裾を掴む。



「傍にいる。大丈夫だ」



頭を撫でられる。



「千花、この距離で撃てるか?」



銃を渡された私はスイッチが入った。



「ウン、ウテル」



私は撃てると答えた。



撃てる撃てないなんて関係なかった。



目の前に標的があるなら私は撃つ。



それも壮だ。



私の手で殺せる。



私の変化に気が付き、叶斗が聞いてきた。



「千花、俺がわかるか?」



「ン?カナトデショ?」



「あ、あぁ。わかるならいい」



また頭を撫でられる。



だけど一瞬じゃなく、暫く撫でてくれた。



「カナト、モウコロシテイイ?」



「いいぜ。お前の好きな時に撃て」



そう言われ、私は銃口を向ける。



その行動に壮は少し脅えていた。



「お、おい、千花、俺だ、お前を愛しただろ?そんな奴を撃つのかよ、」



「ナァニ?ダレ?カナトイガイヒツヨウナインダケド」



そう言ったら頬にキスしてくれた。



「言うじゃねぇか」



引き金に指をかける。



「お前、待てっ!もう関わんねぇから俺を殺さないでくれ!」



何言ってるんだろう。



殺さないでくれ?私をずーっと痛めつけといてよく言う。



自分が殺されるとわかれば命乞いかよ。



「千花!お願いだ!殺さなっ…」



聞き終わる前に私は引いた。



頭に的中。



私は1発じゃ収まらず、全て入っていた弾を撃った。



カチャカチャともう出ないのを確認して、叶斗に言う。



「イチダンイレテ」



「もう死んでるぞ」



「ハヤク」



銃を渡し、弾を入れてもらった。

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