第47話
叶斗side
「ちっ」
やっぱり付けてやがったか…。
昼間から視線は感じてたけど、もう実行してきたのかよ。
弾の感じだと、頭1発狙ったとこだよな。
肩痛ぇ……。
千花の顔に血、かけちまった…。
壊れなければいいがな……。
落とした袋から出た商品を拾い、家に向かう。
「お帰りなさいませ、叶斗様」
「千花は?」
「先程睡眠薬で眠って頂きました」
「そんなに暴れたのかよ…」
眠ってる千花の元へ。
眉間に皺を寄せ、苦しそうな表現で眠ってる。
千花に弾が当たんなくて良かった。
「叶斗様、傷の手当致します」
「あぁ」
* * *
「昼間、感じたろ?」
「…はい」
それだけで伝わるのは長年隣に置いたおかげだ。
「関わりあると思うか?」
「分かりません。狙われているのが叶斗様なのか千花様なのかはっきりと分かれば絞ることは出来ますが…」
「いや、確実に千花が狙われてる」
「その理由とは?」
「俺の肩に命中したということは、千花の頭を狙ったっつー事だ。ちょうどその位置に千花の頭がくる」
「そう、ですか…なら瑞世壮の可能性が高いかと」
「どっかの組と関わりあんのかよ、あいつ」
「大金を払えば動きますからね」
「違いねぇ」
千花と同い年なら高校生だろ?
金があるようには見えねぇけどな。
つーか、チャカ持ってんのが有り得ねぇんだよ。
「叶斗様、終わりました」
「ありがとな」
「失礼します」と朱羽は部屋を出ていき、無音になる部屋。
この静けさが怖い。
千花の体温を感じ、俺は眠りについた。
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