第202話

「千花様、着きましたよ」



ドアが開かれ、手を差し出してきた朱羽に、自身の手を添える。



「結構泣きましたね」



優しく目元に触れてくる。



その行動が叶斗と重なる。



「朱羽は…私の傍にいる?」



「えぇ、もちろんです」



「本当?」



「はい、本当ですよ」



「どんなに醜くなっても、傍にいるって誓える?」



私はこれからも身体に刺青を入れるし、傷が治ることは無い。



どんな姿でも、どんな私でも傍にいて欲しい。



「誓えますよ」



「…そっか」



言葉だけで満足はしないけど、少しだけ安心する。



「海行こ」



「はい」



朱羽の手を引っ張り、海へ歩いていく。

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