第207話
「ただいま戻りました、叶斗様」
千花は朱羽に抱えられて入ってきた。
それもスヤスヤと眠っている。
「…楽しかったか?」
「千花様のご希望だったので…」
ご希望…ねぇ。
「俺の部屋に運べ」
「…かしこまりました」
少し伏せられた顔に、朱羽が否定的なのがわかる。
だが、何度でも言う。
千花は『俺の』だ。
死んでも渡すわけねぇ。
情報が手に入るまで、部屋にいさせるか…。
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